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2026年6月22日

突然の「急な発熱」!インフルエンザやコロナウイルス感染症の初期対応と、受診すべきタイミング

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ハイライト(要約)

夜間や休日に突然、体がガタガタと震え出して高熱が出る「急な発熱」。特に冬場や感染症の流行期には、「インフルエンザだろうか、新型コロナだろうか」と不安が募るものです。熱が出るとすぐに解熱剤を飲んで病院に駆け込みたくなりますが、実は発熱直後はウイルスが検査で見つかりにくく、受診のタイミングや対処法を誤ると、正しい診断が遅れたり体力を消耗したりすることになります。本記事では、発熱時の体温変化フェーズに合わせた正しいホームケア、インフルエンザと新型コロナの違い、検査を受けるべき最適な時間、および緊急を要する危険なサインについて専門医が分かりやすく解説します。

目次

なぜ熱が出る?防衛反応としての発熱のメカニズムと体温変化

突然の高熱に襲われると、「悪い病気にかかってしまった」と誰もが不安や不快感を抱きます。
しかし、発熱は身体が決して異常を起こして壊れているわけではなく、体内に侵入したウイルスや細菌などの病原体と戦うための「極めて正常な免疫防御反応」です。

多くの病原体は、人間の平熱である36度〜37度前後で最も活発に増殖します。
一方で、人間の免疫細胞(※白血球やリンパ球など)は、体温が上がることによって活性化し、病原体を攻撃する力が強くなります。
そのため、脳の視床下部にある体温調節中枢が「体温の設定温度」を一時的に38度や39度へと引き上げることで、あえて熱を発生させ、病原体の増殖を抑え込みつつ免疫力をフル稼働させているのです。

発熱には、以下の3つのフェーズ(段階)があり、それぞれの段階で体の状態や必要な対処法が異なります。

発熱による3つのフェーズ

これらは、肝臓の細胞の中に豊富に含まれている酵素です。
肝細胞がウイルス、脂肪、アルコールなどによって傷つき、破壊されると、細胞の中から血液中へとこれらの酵素が漏れ出してきます。
つまり、数値が高いほど「今、まさに肝細胞が壊され続けている」ということを示します。

フェーズ1:熱が上昇する時期(悪寒期)

体温の設定温度が上がった直後は、現在の体温とのギャップがあるため、脳は「体が冷えている」と錯覚します。
これにより、血管を縮めて熱を外に逃がさないようにし、筋肉をガタガタと震わせて(ふるえ熱産生)熱をつくり出します。
この時期は、激しい寒気(さむけ)や手の足の冷たさを感じます。

フェーズ2:熱が上がりきった時期(極期)

設定温度まで体温が上昇しきった状態です。
寒気は消え、今度は全身が非常に熱く感じられ、顔が赤くなり、皮膚が乾燥して熱を放出しようとします。脈拍や呼吸も速くなります。

フェーズ3:熱が下がる時期(解熱期)

免疫細胞がウイルスを圧倒し、脳の設定温度が平熱へと戻る時期です。
体内に溜まった熱を一気に外へ逃がすため、大量の汗をかきます。

この発熱のサイクルを理解しておくことが、適切な初期対応の土台となります。

インフルエンザと新型コロナウイルス感染症!症状の主な違いと特徴

 

急な高熱が出た際、現代で最も疑われるのが「インフルエンザ」と「新型コロナウイルス感染症(※COVID-19)」です。
これらはどちらも呼吸器系のウイルス感染症ですが、初期症状の現れ方には以下のような特徴的な違いがあります。

インフルエンザの特徴

・発症の仕方:非常に突発的です。「さっきまで元気だったのに、数時間で一気に38度〜39度の高熱が出た」という現れ方をします。
・主な症状:高熱とともに、全身の強い倦怠感(だるさ)、関節痛、筋肉痛、激しい頭痛などの「全身症状」が強く現れます。その後、少し遅れて咳や喉の痛み、鼻水などの呼吸器症状が出てきます。
・潜伏期間:約1〜3日と短いです。

新型コロナウイルス感染症の特徴

・発症の仕方:比較的緩やかです。最初は喉の軽い違和感や微熱から始まり、数日かけて徐々に熱が上がってくるケースが目立ちます(※オミクロン株などでは突発的な発熱も見られます)。
・主な症状:喉の激しい痛み(唾を飲み込めないほど)、長引くしつこい空咳、鼻水が特徴です。また、味覚や嗅覚の障害(味がしない、においがわからない)が現れることがあり、これはインフルエンザにはほとんど見られない特徴です。
・潜伏期間:約2〜5日(※株の変異によって変動します)。

ただし、これらはあくまで「一般的な傾向」であり、予防接種の有無や個人の体質によって症状は千差万別です。
最終的な診断には、医療機関での抗原定性検査やPCR検査が不可欠となります。

冷やす?温める?発熱直後から家で行うべき正しいホームケア

熱が出た際、「冷やすべきか、温めるべきか」で迷う方は非常に多いです。
これは、前述した「発熱のフェーズ」に合わせて切り替えるのが正しい対処法です。

≪寒気があるとき(熱の上昇期)≫

【対応】体を徹底的に「温める」
寒気を感じてガタガタ震えている時期は、体が一生懸命に熱をつくろうとしている最中ですから、無理に冷やしてはいけません。
布団を多めにかける、電気毛布や湯たんぽを使う、温かい飲み物を少しずつ飲むなどして、体をしっかりと温めてあげてください。

≪寒気が消え、体が熱くなって汗をかき始めたとき(熱の上がりきった時期・下落期)≫

【対応】体を「冷やす」
熱が上がりきって本人が暑がっているときは、余分な熱を外に逃がしてあげる必要があります。
厚着をやめ、風通しの良い衣服に着替えさせます。
また、効率よく体温を下げるために、太い血管が皮膚の近くを通っている以下の部位(3点のアイシング)を氷嚢や冷却シートで冷やします。

・首の左右の両脇(頸動脈の近く)
・両方の脇の下(腋窩動脈の近く)
・足の付け根(股関節の太い血管の近く)
※おでこに冷却シートを貼る行為は、ひんやりして気持ちが良く本人の安眠を助けますが、体温を下げる医学的効果はほとんどありません。

≪解熱剤(お薬)の使用ルール≫

熱が出たらすぐに市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)を飲みたくなりますが、解熱剤は「熱の数値を下げるための薬」ではなく、「熱による身体の辛さを一時的に和らげるための薬」です。
熱が38.5度以上あっても、本人が比較的元気で、水分が摂れて眠れているのであれば、無理に解熱剤を飲む必要はありません。
逆に、「熱のせいで頭痛がひどくて眠れない」「関節痛で寝返りが打てない」「ぐったりして水分が全く喉を通らない」といった場合に、一時的に体を楽にさせて水分補給や睡眠をとる目的で使用してください。

すぐに検査は逆効果?病院を受診する「ベストなタイミング」

急な発熱があると、すぐに原因を白黒はっきりさせたくて、発熱後1〜2時間で発熱外来を受診される方がいます。
しかし、これは検査の観点からはお勧めできません。

ウイルスに感染して熱が出た直後の数時間は、体内でウイルスがまだ十分に増殖していません。
この状態でインフルエンザや新型コロナの抗原迅速検査を行っても、ウイルスが検出限界以下であるため、本当は感染しているのに結果が「陰性」と出てしまう「偽陰性(ぎいんせい)」になる確率が非常に高くなります。

その結果、翌日に熱が下がらずにもう一度病院を受診して再検査を受ける羽目になり、二度手間になるだけでなく、体力を余計に消耗してしまいます。


【検査を受けるベストなタイミング】

発熱などの症状が出始めてから「12時間から24時間経過した後」です。
これだけの時間が経てば、体内でウイルスが十分に増殖しているため、抗原検査でほぼ正確な判定が可能になります。

例えば、平日の夜間(20時頃)に突然発熱した場合、意識がはっきりしており水分が摂れているのであれば、その夜は自宅で水分を摂って安静にし、翌日の午前中から午後の時間帯に発熱外来を受診するのが最も効率的で正確な診断が得られるタイミングです。

ただし、インフルエンザの抗ウイルス薬(タミフルやゾフルーザなど)は、「発症から48時間以内」に服用を開始しなければ十分な効果が得られません。
あまりに受診を遅らせすぎてもいけませんので、発熱後24時間前後での受診を目安にしてください。

放置は危険!直ちに医療機関へ行くべき「レッドフラッグ」

発熱の多くは自宅での適切な対処と内科の受診で回復に向かいますが、以下のような重篤な症状(※レッドフラッグ)が見られる場合は、インフルエンザや新型コロナの合併症(肺炎、脳症、心筋炎など)、あるいは敗血症などの命に関わる重大な事態に陥っている可能性があります。
夜間や休日であっても様子を見ず、直ちに救急外来を受診するか、救急車を呼んでください。

危険サイン1

呼吸が苦しそうである(息切れがする、肩で呼吸をしている、話すのが辛い)

危険サイン2

意識が朦朧としている(問いかけに対する反応が鈍い、話の辻褄が合わない、異常にうわごとを言う)

危険サイン3

水分の摂取が一切できず、おしっこが半日以上まったく出ていない(脱水症)

危険サイン4

激しい頭痛とともに、首の後ろが硬くなって顎を胸につけられない(※髄膜炎の疑い)

危険サイン5

39度以上の高熱が、4日以上経っても全く下がる気配がない

危険サイン6

持病(重度の心臓病、腎臓病、糖尿病、呼吸器疾患)がある、または免疫を抑える治療を受けている

急な発熱は身体が戦っているサインです。
パニックにならず、体温計の数値だけに振り回されずに本人の状態をよく観察し、適切なタイミングでの受診と正しいホームケアで、病原体との戦いを乗り切りましょう。

最後に

突然の発熱が起きた際は、慌てずに水分補給と十分な休養をとることが基本です。
呼吸の苦しさや意識の低下といった重大なサインを見逃さず、インフルエンザやコロナウイルス感染症などの早期検査・治療を含めて、適切なタイミングで医療機関を受診しましょう。

 

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