2026年7月18日

夏になると増える虫刺され・蜂刺され。「ただの虫刺されだから」と放置して大丈夫なケースと、すぐに受診が必要な危険なケースがあります。正しい応急処置と見分け方を慶元クリニックが解説します。

夏場に多いのが、蚊やブヨ、ダニなどによる「虫刺され」と、スズメバチやアシナガバチなどによる「蜂刺され」です。蚊による虫刺されは、赤く腫れてかゆみが出る程度で、数日で自然に治まることがほとんどです。一方、ブヨやマダニに刺された場合は、腫れが強く出たり、水ぶくれになったりすることがあり、マダニは感染症を媒介する可能性もあるため注意が必要です。

お子さまは大人に比べて皮膚が薄く、虫刺されの反応が強く出やすい傾向があります。同じ虫に刺されても、大人では軽い赤みで済むところが、お子さまでは大きく腫れ上がることも珍しくありません。屋外で遊んだ後に「いつもより腫れが強いな」と感じたら、注意深く様子を見てあげてください。
蜂に刺された場合は、刺された瞬間に強い痛みを感じ、その後急速に腫れが広がることが特徴です。特にスズメバチは毒性が強く、症状が全身に及ぶことがあるため、蚊やブヨの虫刺されとは区別して考える必要があります。
また、毛虫による皮膚炎も夏場によく見られます。毛虫の毒毛に触れると、赤い発疹と強いかゆみが広がり、風に乗った毒毛が離れた場所の皮膚に付着して症状が出ることもあります。庭木の手入れや公園でのレジャーの際は、こうした虫による被害にも注意が必要です。
このように、一口に「虫刺され」といっても原因となる虫や症状の出方はさまざまです。刺された場所の状況(草むら、山、水辺、庭など)や、症状が出るまでの時間、腫れの広がり方を覚えておくと、受診時に原因の特定や適切な治療につながりやすくなります。可能であれば、刺した虫の特徴(色、大きさなど)を覚えておくか、安全な範囲で写真を撮っておくことも役立ちます。


虫刺され・蜂刺されの基本的な応急処置は共通しています。
氷や保冷剤をタオルで包み、患部を冷やすことで腫れや痛みを和らげます。
ミツバチに刺された場合、針が皮膚に残っていることがあります。ピンセットなどで慎重に取り除きますが、無理に指でつまむと毒がさらに体内に入る可能性があるため、カードの縁などでかき出すように取るのが安全です。
かゆみが強くても、かき壊すと細菌感染を起こし、とびひなどにつながることがあります。市販のかゆみ止めを活用しましょう。
マダニに噛まれた場合、無理に引き抜くと口の部分が皮膚に残ることがあります。医療機関での除去をおすすめします。
特に手足を刺された場合、患部を心臓より高い位置に保つことで、腫れの広がりを抑えられることがあります。
これらの応急処置はあくまで一時的な対応です。症状が強い場合や広がっていく場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関を受診することが大切です。市販の虫刺され薬を使う場合も、ステロイドの強さや成分は症状によって適したものが異なるため、広範囲に使う前に薬剤師や医師に相談すると安心です。

蜂に刺された経験がある方は、特に注意が必要です。過去に蜂毒に対する抗体ができていると、再び刺された際に「アナフィラキシーショック」という重篤なアレルギー反応を起こすことがあるためです。
以下のような症状が刺された後、数分〜数十分以内に現れた場合は、命に関わる危険なサインです。
こうした症状は非常に速く進行することがあるため、様子を見ずにすぐ受診・救急要請することが重要です。アナフィラキシーショックは、刺されてから数分という短い時間で急速に悪化することがあり、対応の速さが命を守る鍵になります。過去に一度でも全身症状を経験したことがある方は、医師と相談のうえ、緊急時に自己注射できるアドレナリン製剤(エピペンなど)の携帯を検討することもあります。

以下のような場合は、自己判断で様子を見ず、医療機関を受診してください。
これらは、放置すると症状が急速に悪化したり、感染症に発展したりする可能性があるサインです。「病院に行くほどではないかも」とためらう場合でも、判断に迷う時点で一度相談することをおすすめします。
特に蜂による2回目以降の被害は、1回目より症状が重くなることがあるため注意してください。過去に蜂に刺されたことがある方は、農作業や庭仕事、山でのレジャーの際にご家族にもその旨を共有しておくと、万が一の際に迅速な対応がしやすくなります。

当院では、虫刺され・蜂刺されの応急処置から、マダニの除去、アレルギー症状への対応まで幅広く対応しております。「これくらいで受診していいのか」と迷う程度の症状でも構いません。特にお子さまの急な症状や、屋外での作業・レジャー中の被害は、早めの受診が安心につながります。
当院は消化器外科・救急医療の現場での経験を持つ院長が在籍しており、急な症状の変化にも落ち着いて対応できる体制を整えています。日曜診療も行っておりますので、休日のレジャー先でのトラブルの際もご相談ください。夏場は特に外遊びや屋外作業の機会が増える時期です。正しい知識を持っておくことで、いざという時にも慌てず対応できます。
家庭でできる備えとして、虫除けスプレーや長袖・長ズボンでの肌の露出を減らすこと、屋外での飲食物にハチが寄ってこないよう注意することなども、被害そのものを予防するうえで有効です。ご家族でお出かけの予定がある際は、事前にこうした対策を確認しておくとより安心です。
虫刺され・蜂刺されの多くは、患部を冷やす・かかない・毒針やマダニを無理に引き抜かないといった正しい応急処置で対応できますが、蜂に刺された経験がある方は再び刺された際にアナフィラキシーショックを起こす危険があり、じんましんや息苦しさといった症状が出た場合は様子を見ずに救急要請することが重要です。腫れが広範囲に及ぶ、発熱がある、症状の変化が読み取りにくいお子さまや高齢の方といった場合も、迷う時点で一度当院までご相談ください。